淫らな伯爵と灼熱の蜜夜 19

(執筆日:2016年07月01日)

「もう我慢できない」
 デュレンが苦しそうな声を出した。身を起こすといきなり上半身を脱ぎ捨て、次にズボンに手をかけた。前をくつろげると、急にリアナの手をつかみ、股間へと運んでいく。
 まさか握らされるとは思っていなかったので、リアナはぎょっとした。
「わかるだろう。もうこんな状態だ」
 熱く脈動していた。反射的に身体が疼いてしまったのは、きっと媚薬のせいだ。
 デュレンはリアナの足をつかむと、左右に押し広げた。腰を割り込ませ、膨らんだ先端をリアナの濡れた花弁へと押し当てる。蜜壷が開かれていくのがわかった。
「……あっ……やっ……」
 痛かった。溢れるほど濡れているので容易に入りそうだが、それは幻想だったらしい。
 生娘の身体は未知の異物を拒絶するかのように、進入を拒んだ。
「……待って、痛い……いたっ……」
 必死でデュレンの身体を押し返した。
「いきなりは無理か」
 性急だったデュレンが、気持ちを落ち着かせるためなのか深呼吸をする。腰を引かれ、リアナは痛みから解放された。安堵の息をつく。
 しかし安心している場合ではなかった。デュレンは身を起こすと、リアナの足の間に手を運んできた。一本の指が粘膜をかき分け入り込んでくる。
「ひゃっ……」
 焦るリアナにはお構いなしで、デュレンは中指を押し込んだ。愛液が指に絡みつき、根元まで埋められてしまう。粘膜が指を包み込み収縮を繰り返した。
「おまえのここは欲しそうにしているぞ」
「……そんな、こと……っ」
 リアナは頬を染め、嫌がるように首を振った。しかし隘路はデュレンの指を熱く迎え入れており、きつく締め上げていた。まるで離すまいとでもするかのように。
「ん……っ」
 媚薬のせいなのか疼きに耐えられず、リアナは喉を反らす。
 デュレンが指を引いた。すべて抜ききらないうちに再び押し込んでくる。
「あっ」
 指の腹で襞を撫でられ、内壁を押し上げられた。未知の感覚にリアナはがくがくと震える。
 デュレンはゆっくりと抜き差しを繰り返し、リアナが慣れてきた頃を見計らって指を二本に増やした。先ほどよりもきつく狭くなる。
「んっ、くっ……」
 ぐちゅぐちゅ、にゅちゅにゅちゅと卑猥な音が鳴る。デュレンの指が速度を増してきた。熱い粘膜がやや乱暴にかき混ぜられ、リアナは意思とは関係なくビクビクと跳ねた。知らない感覚が内部を占めてきて、どうしたらいいのかわからない。
「……んっ、ぁん……っ」
 ベッドの上で緩やかにのたうち、熱くなる身体を持て余した。
 こんな時でもデュレンの表情には変化はなく、少しは興奮しているのかもしれないがよくわからなかった。いや、下半身の状態を考えたら興奮しているはずだ。
 だが冷静で理知的な顔を崩すことなく、まるで業務でもこなすようにリアナの身体に刺激を与えてくる。
 リアナは自分だけが乱れていることが恥ずかしくなってきたが、この状況をどうすることもできなかった。

つづく