眠れぬ夜に月を見上げる
深い紺色の中に浮かぶ銀色の月
風がそっと吹き雲が流れ
みるみる月を隠した
月を走るうさぎが光を失い
困惑気味に立ちつくす
やがてまた風が吹き雲が流れ
月が姿を現した
うさぎは喜び勇んで走りだし
月の隅のどこかへと消えた
銀色の月を取り囲むようにたくさんの星がまたたき
そのうちのいくつかが流れ星となり光の矢を放つ
窓を閉めカーテンを閉め眠りについた
あれは夢か現か幻か
朝になれば月も星もどこかへ消える
あのうさぎはどこを目指して走っていたのだろう
END
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