淫らな伯爵と灼熱の蜜夜 20

(執筆日:2016年07月03日)

 執拗なほど指を抜き差しされたリアナは、荒くなる息でせわしなく胸が上下する。頭の中がぼうっとしてきて、冷静に物事が考えられない。これも媚薬のせいなのだ。そう思っても対処する方法が何も浮かばない。ベッドの上で身じろぐことしかできなかった。
 指を三本に増やされた。さらにきつくなる。ぐちゅぐちゅと抜き差しされ、リアナは思わずのけぞった。
「はああああっ……」
 時折、頭の中が真っ白になる。快感が下から押し寄せてきて脳天へと抜ける。
「……ああっ、もうっ……もう……っ」
 止めようと手を伸ばした。しかしデュレンの空いている手に阻まれる。手首をつかまれた。リアナはそれ以上どうすることもできずに、ベッドの上でのたうった。
 デュレンが抜き差しの手を止め、親指に愛液を絡めながらリアナの花芽を撫でた。その刺激でリアナの理性は一瞬飛び、びくびくと全身が跳ねる。
「ひゃっああああっん……っ」
 どうやら達してしまったらしい。リアナはベッドの上でぐったりとして、はあはあと全身で呼吸を繰り返した。
「そろそろだな」
 デュレンが独り言のようにつぶやいた。何がそろそろなのかをリアナが考える間もなく、指が引き抜かれる。グッと両足をつかまれ、左右に押し広げられた。デュレンの腰が割り込んでくる。
 花弁に、はち切れそうなほど膨らんだ先端を押しつけられた。先走りの透明な蜜を溢れさせながら、狭い穴に押し込んでくる。
「んっ……あっ……」
 さんざん指で慣らされたが、それでもまだきつかった。痛みも走る。
「……だめっ……痛い……っ」
「痛いのは最初だけだ」
 デュレンは容赦なく言い放ち、グッと腰を押し込んできた。
「やあああああっ……」
 先端さえ入れば、あとは楽に入ってくる。熱く収縮する隘路を、デュレンの屹立が埋め尽くしてきた。
「きついな」
 デュレンが独り言のようにつぶやく。緩やかに腰を揺らし、さらに奥へと突き進んでくる。
 熱い脈動がリアナの体内にすべて収まった。息も絶え絶えになりながら、リアナはデュレンの顔に視線を向ける。ここまできても彼には乱れた様子はなく、理性を保っているように見えた。
 イケメンは乱れないものなのだろうか。そんなことをぼんやりと思いながら、リアナはベッドの上で身じろいだ。
 互いの下半身が完全に密着している。なんて恥ずかしい光景だろうと思ったが、もはや逃げたくても逃げられない。雄を受け入れた蜜壷は媚薬のせいでドクドクと疼き、この先にある何かを激しく求めていた。

つづく