花嫁は魔王の甘い蜜に酔わされる 12

(執筆日:2014年10月14日)

 ファルザスの形のいい唇から舌が覗き、リリアの足の裏を舐めた。その瞬間、全身に電流が走ったような衝撃がリリアを襲った。
「……あっ」
 思わず声が出てしまったことを内心で恥じたが、それが引き金になったようにリリアの身体に変化が現れはじめた。
 戸惑うリリアの異変に気づいている様子で、ファルザスは彼女を抱き寄せた。頬を捉えて上向かせ、そっと唇を奪う。腕の中で小さくもがく彼女を逃すまいとしながら、舌でリリアの舌を絡め取る。
「……ふっ、……くっ」
 苦しげに眉根を寄せながらもリリアのまぶたは伏せられ、舌に宿る甘い痺れに激しく戸惑う。
 長い時間をかけて貪られた後、ゆっくりとファルザスは彼女を放した。乱れた吐息がリリアの唇から漏れ、潤んだ瞳がうろたえたように揺れる。
 ファルザスはベッドの上を移動し、リリアの背後へとまわった。背中から抱き寄せると、そっと彼女の胸に触れる。
「あっ、やだ、待って……」
 リリアは慌てたが、ファルザスは手を離そうとしなかった。その形を確かめるように手を這わせ、胸の頂にある小さな尖りを発見する。布越しに指先でつまむと、やんわりと刺激してきた。ファルザスの腕の中で、リリアが小さく震える。
「……あっ、……あっ」
「感度はいいようだな」
 満足したような声で言い放ち、ファルザスはドレスの胸元から手を差し入れた。
 ファルザスの大きな手に包み込まれた柔らかな胸が、彼の指の動きに合わせるように形を変える。胸の頂にもじかに触れられ、全身に小さな電流が走ってリリアは身悶えた。
 ドレスの裾がまくりあげられ、ドロワーズも引っ張られ、ふとももがあらわになった。ファルザスの手が足の上を這い、足のつけ根へと迫る。リリアは思わず彼の腕を掴み、その移動を止めさせた。しかしファルザスは構うことなく手を進め、下着としてつけているドロワーズを引き裂いた。
「きゃっ……」
 足の間の布を引き裂かれ、リリアは激しく動揺した。そこだけ穴が開いたように外気が入り、非常に心もとない。
 ファルザスの指が布をかき分け、奥へと進入してきた。リリアは必死で止めようとしたが、彼女のか弱い腕力では止められなかった。
「は、う……っ」
 ぬるりと滑るように彼の指が触れた。誰にも触れられたことのない場所を、遠慮のない指が這い、心得たように刺激してくる。
「……そこ、は……やぁ……っ」
 ファルザスの片手はリリアの左胸をホールドしたまま、もう一方の手は秘処へと導かれている。溢れる愛液で指を濡らしながら、ファルザスはとうとう蜜口に指を進入させた。

つづく