花嫁は魔王の甘い蜜に酔わされる 14

(執筆日:2014年10月15日)

 リリアの全身に電流が走り、悲鳴をあげながら盛大にのけぞる。ファルザスはその身体を背後で受け止め、ようやく彼女の体内から指を引き抜いた。
 ぐったりと沈み込むリリアを抱き起こし、ファルザスはドレスの背に手をかけた。彼女の背中を締めつけていたコルセットを、ゆっくりと外す。コルセットに慣れていた身体は、外されて初めて締めつけられていたことに気づいた。急に呼吸が楽になったリリアは、深く息を吸い込む。
「常々不思議だが、よくこのようなものを長い時間つけていられるな」
「……女性として生まれた者の宿命です。王族、貴族に生まれてコルセットをつけない女性はおりません」
 リリアは普通に会話をしている自分を不思議に思いながら、この先に待ち受けている展開をおそれていた。
 コルセットを剥ぎ取られ、ドレスの上半身は腰の辺りまで落とされ、豊かな胸がむき出しになっていた。半ば強引に向きを変えられたリリアは、その胸をファルザスの瞳に映すことになり、恥ずかしさに耐え切れず腕で隠した。しかし、ファルザスに掴まれた腕はあっけなく左右にどかされ、改まったように胸を観察されることになった。
「形もいいし、なにより美しい」
「あんまり……見ないでください」
「今さら何を言っている」
 フッとファルザスは笑い、身を屈めた。胸の頂がファルザスの唇に吸い込まれ、リリアの鼓動が跳ね上がる。
「……あ……」
 ファルザスの舌先が粒を転がすように動き、唾液を絡めながら巧みに攻める。もう片方の胸はファルザスの手に掴まれ、やや乱暴に揉みしだかれた。
「はぁっ……ファルザス……やめっ……」
 リリアはのけぞりながら身悶えた。ドレスの裾に隠れて見えないが、秘処には新たな愛液が溢れ、足を濡らしている。腰は再び熱くなり、背筋を何かが駆け抜けていく。これが快感なのだということにリリアはまだ気づいておらず、未知の感覚にただ振り回されていた。
 衣服を身につけたままだったファルザスが、ふいに自分の下腹部に手をかけた。何かを取り出すような動きを見せ、つい視線を向けてしまったリリアは、初めて目の当たりにしたものの存在に動揺を隠せなかった。
 ファルザスに腕を引かれ、抱き寄せられる。座る彼の腰の上に、足を大きく開く形で乗せられた。ドレスの裾がふわりと広がる。
「あっ……あ、ひぁ……っ」
 ググッと身体が硬いものに押し開かれていく感覚に、思わず天を仰ぐ。強い痛みを感じながらも、体重と重力に逆らうこともできずにリリアは腰を落としていく。脈動する熱いものが、侵食するようにリリアの体内を食い破ってくる。リリアは小刻みに震えながら、これがファルザスの身体の一部なのかと信じられない気持ちだった。

つづく